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落ちる-2※
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暫く経つと突然、優斗の頭の上からジマとは違う声がした。
「久しぶりだな」
だけど聞き覚えのある声であった。優斗が見上げると、頭の上にそいつがいた。まさに文字通りに頭上に浮いているようにいた。
(……こいつは!!)
優斗が最初この世界に来た時にいた。黒い髪と赤い瞳、何かの文字が右頬の耳の下あたりからこめかみに唐草模様にも見える刺青の...。
「……ギオ…」
その赤い瞳が優斗をじっと見ていた。
なんでここにいる?なんでここにきた?では、あのジマが言っていた主はこいつか?優斗の頭の中でぐるぐると色々な思いが渦巻く。
「やっと会えたね」
ギオはくすくす楽しそうに笑っていた。
「なんであなたがここに?」
「だって、ここは俺の為の場所だから。ジマに創らせた」
ジマの主がこいつだったのかと優斗は思った。
「だってもう俺は……」
「純潔ではない……?まあ、そういうのはもういいんだ。俺は言ったよね。お前本人が気に入ったって?」
そう言って、ギオは優斗の頬を撫でさらにペロリと舌で舐める。優斗はその舐められた感覚にぞわっとなった。
「ん、お前の香りもよさそうだし。……ああ、服とかいらないから」
ギオはそのまま優斗の服を乱暴に引きちぎる。目の前に肌が晒されて、その羞恥心に優斗は身をよじろうとするが、身体が動かなかった
「ジマは一刻も早くお前のこの印 をさ、消す作業をしないと、とか言ってたんだけど、せっかくユウトが目の前にいるんだよ?ヤらずにどうするの?って思ってさ」
優斗の上に馬乗りになって上から身体を押し当てた。
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