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落ちる-3※
「やめろっ!!」
優斗は怒鳴ったつもりだったが、ただかすれた声しかあげられなかった。ギオの赤い瞳に見据えられると、自分ではもうどうする事も出来ずに震える。必死で逃げようともがくしかなかった。
微かな笑い声が優斗の耳に響く。
「逃げられないよ。ここは、誰にも分からない場所だから。諦めな」
ギオは優斗の耳元で囁いてそのまま耳朶を舐めてキスした。優斗は身を捩って避けようとしたがそれは叶わない。何らかの力で身体が全く動かない。
「暴れると危ないから、ちょっと身体動けなくしたよ。まあちょっとだけ、まあ、こうやって少し触って気持ちよくなるうちに、身体が動くようになるよ」
キスは唇に行きそのまま深く。舌が入り込む…。優斗はその舌を思い切り噛んでしまおうと思った。その、舌の先をチロリと少し噛む……すると。
「痛てッ」
急いでギオは優斗から唇を離して、
「俺の舌を噛もうとしたのか?なら、優しくしようとしたけど、やめるよ?」
ねえ?と言いながら、優斗の後ろをさぐり、その蕾の奥へ指を掻きいれた。
「ぃや……!!!」
乱暴に入れられた指は奥をほぐすわけでもなくただただ痛いだけで、優斗は悲鳴を上げる。
「このまま俺のを突っ込んでもいいんだよ?まあ、ちょっと解さないと入れられないけどな」
ギオはニヤッと微笑んでふいに身体を離す。
「それにしても、お前、ホントあの皇子に可愛がられているんだな」
ギオの紅い瞳が優斗の肌をまじまじと見る。
以前、見た時以上に艶やかな印象になっていた。さらにその肌の白さと対比するように、花びらのような赤い色が肌の上に散っているのが見て取れた。
「前、みたお前の肌は、きれーな真っ白だったのにな。あちこちに赤いマークを付けてる。キスマーク。俺が上書きしてやるから」
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