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閉じる空間-1

その時に、空気が不意に揺らぎ風がそよいだ。 「何だ?」 ギオが部屋の暗い空中を見て言う。 「いきなり無粋だと思わないか?」 "……ですが…ここに……" 誰かの声が微かに聞こえた。どうやらギオはその声の主と話しているようだ。空中が何かに揺らいでいるように見えると、人型のモノ浮かび上がった。 (あれはもしかしてジマ??) 優斗が吃驚してその人型をじっと見ていると、人型がはっきりと形をとった。それは、やはりジマであった。 「もう知られたのか?早いではないかこの空間であれば、当分は知られないはずだと言ったではないか」 「まだここが何処かはわからないはずです…ただ、私の創った空間にいると知れてしまっただけの事なのですが、何処か知れるのも時間の問題かと。まずはここを移動しないとなりません」 「まあ、場合によっては我が闇の国の領地、城へ行くか」 (ただ。"彼"が何と言うかが問題だ。さて、陽の国の皇子のパートナーを連れてきて良しとするか?それとも?…まあ、彼はもう老いている。なんとでもなるな) ギオは考えを巡らせる。 「……続きをやりたくなるけど、まあ、時間がないみたいだから、後で、ゆっくりとな」 そう、言ってギオは優斗の唇にキスをした。 "……お早く。ここを閉じて飛びます……" ジマの声が響く。その言葉とともにこの空間が閉じようとしているのか。暗闇だった空間に何処からか射す光が点滅して、激しい風圧にあたりが包まれる。まるで、風の渦の中に入っているかのようになる。 (また何処かに連れて行かれるの?みつけられそうなの?……ってそれって誰に?) 優斗は"どこでもない場所"のここをどうやって探せるのだろうかと思った。 ―――が、突然にその風の渦を切るように入ってくる何かの音が "ィイイイイーーーーーー" ものすごい高い高い音。風の渦が止まり、優斗の頬に触れる空気の流れが止まった。 目の前に現れたのは白い影・・・。 .

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