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閉じる空間-3
「……避けましたか…」
「その力、私にはとても懐かしいものでもありますからね」
「やはり……。ビィさま、あなたはこちら側の世界の魔道士でもあり、向こう側では私と同じ………」
「それ以上は言わないで欲しいですね…」
(そう、ここで話すことではありませんから)
ビィの目がすっと細められた。
今度はビィの身体全体が光る。
全体に光っていたその光は、突然ビィの身体から離れ、熱い大きな光の玉へと変わった。
光の玉がまるでビィから投げられるを待っているかのようにビィの手に吸い付く。
ビィは手を全く動かさない。光の玉だけが弾むように、ジマへ向かっていった。
それは、さきほどのジマが出した光の束よりもより大きなもの。さらに熱も感じられるものだった。
それがジマを取り囲もうとしたかに見えた。だが、
だけどそこに風の渦が、
"さぁー"
と音を立てて現れ、ジマへの光の玉の攻撃を邪魔した。
その風の渦はあっと言う間にビィの光の玉を爆ぜさせ、既のところでジマに届くのを防いだ。
「ジマっ何やっている!早く空間を閉じろ。ビィはヤバイ!!」
風の渦を出したのはギオだった。
ギオは優斗を引き寄せて、より安全な場所へと移動していたが、ジマとビィが争いになりそうなのを見て止めに入った。
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