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変調-4

「ここで怪しいものは見ませんでしたか?」 "怪しいものはいなかった" 木に話す方法はかなり特殊である。難解な会話は出来ないので少しづつ順を追って話さなければならなかった。 そこでビィはしばらく考えてから聞き方を変えて再度聞いた。 「話しかけたもの、特別な力をもったものはいませんでしたか?」 "いた" やはりいたのだ。 「そのものは誰だか知っていますか?」 "知っている" 「それは、誰でしょうか?」 "ジマ" 「……ジマ?」 ビィは頭を巡らす、その名前は聞いたことはある。その者は、闇の皇の魔道士というのを聞いた。いや、闇の皇ではなく、闇の皇の皇子の下にいるという。かなりの使い手であるのは聞き及んではいるが、そういった能力の高いものなら昔から噂で聞くようなものだが全くそういった噂は無かった。 (突然……気が付いたら、闇の皇子の下にいたといった様子でした。もしや彼は向こう側から来た"落ち人"?) だとしたら、その能力は、魔道のものではなく、向こう側の世界の力を持つ者である可能性が高い。魔道士に感知させる事なくその能力を使える・・・。 (この私がかつて"向こう側へ落ちた"ように、向こう側からこちら側へ落ちる人もいる……向こう側との行き来がなくなった今でもそれは稀にある事……) でもそれは予測不可であった。 .

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