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それが「彼」-1
「どこから話す?」
一呼吸置いてからギオは話しはじめた。
「まず、闇の国と陽の国はどういった関係とか思ってる?」
「対立している?敵対している国?」
優斗はそう答えた。
「今はね。だけど元々は対立はしていなかったんだ…本来は。闇の国と陽の国の二国は相容れない国ではあるが決して対立はしていない。というのが本来の二国の姿なんだ。そして、元々の世はこの二国からはじまり他の国はそれに付随する属国にすぎない」
闇の国は、闇に属する魔物や魔法などを統治していて、この大陸を収めている。闇の国の者の特徴として、日の光が苦手であった為、日の光のある時間での表の大地や都市、街等の主に一般の人々を統治しているのが陽の国で、二国はそういう役割で上手く回っていた。そういった成り立ちであったという。
「俺らが活発に活動できるのは日暮れからだったが……日の光の中でもすごせないわけではなかったが、まああまり具合はよくはない。その様子が変わったのは陽の国でいえば現皇バスティンの前々皇あたりからで、そのあたりから、日中でもなんらかの対策をとれば日の光の中でもすごすことができるようになってきたからっていうのもある。色々な道具ができたからな。俺の先々代あたりの闇の皇が色めきだした。そこでだ、闇の国と陽の国が表裏一体というのは何故だと思う?」
と、急に優斗に聞いて来た。
「言葉の通りだと切っても切れない関係?」
「その通り。決して切る事ができない存在」
「でも何故?」
「陽の国に起こることは、闇の国でも起こる。その逆も然り。光があたるところに同じ影ができるが如くなんだよ」
「どういう事?」
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