103 / 379

それが「彼」-2

…優斗には分かったような分からないような、なんだか誤魔化されているような気がした。 「陽の国の連中は知らんが、闇の国のほうは、日の光に対応出来始めた頃から、切っても切れない関係でもその相手をすべて手に入れてしまえば問題ないとおもっている」 それを聞いて優斗は今までの陽の国の様子を思い出す。 (陽の国はあまりこちら側からは争いなど仕掛けなくて防御のみっていうスタンスだった気がした) そしてな…。ここからが肝心なんだよ?…と、ギオは面白げな顔をして話す。 「闇に属するものは闇の国に生まれるんだ。闇の力を持っている魔道をたしなむものは闇の国から生まれる。かつて闇の国も陽の国も対立してなかったころは優秀な魔道士を陽の国へ派遣したり、魔道士が陽の国へ移住したりしていた。今はその血を受け継ぐ末裔が陽の国にも生まれ魔道士も普通にいる。そこでだ、陽の国の皇、そしてその継ぐ者、それぞれの(つがい)となる(しるし)をもつパートナーは当たり前だが、陽の国のものでしかありえないし生まれない。闇に属するものは陽には交われない。つまり魔の闇の力を持つ者には現れないハズなんだ。だが、昔々闇に属するものが、陽の国の皇子の(つがい)となるパートナーの印を持つものが現れた事があった」 "それがビィだったんだよ"

ともだちにシェアしよう!