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それが「彼」-4
「戻って来たの……だよね?」
「……落ち人は再び元の世界へ戻ることは無い。これは本当だ」
ギオはそう断言した。
(ビィは向こう側とこちら側の世界の引き合いが無くなった今では、向こう側に戻る術は無いと言っていたハズ)
優斗はビィに言われた事を思い出す。
「だけど、戻って来た、向こう側の時間ではどのぐらい経ったのか分からなかったけれども、彼の見た目はその時40代ぐらいだったらしい。今もさほど変わっていないよな。戻って来たのは俺の闇の国の現皇と陽の国の現皇がまだ皇子だった頃だった・・陽の国の先代の皇族の間では衝撃的な出来事だったみたいで、まあ、そうだろうけど。それで、ビィのこの出来事は当時の陽の国の皇族では秘密となっていた。でも闇の国の先代の皇は知っていたけれどもね。だから、俺も知っている。でも陽の国の連中は知られてないと思っているんじゃないのかな」
ギオの話は優斗には色々驚く話だった。
(…ただ時を選べない。そのリスクがあるから戻れないとビィは言ったのだろうか?)
"どうやって…?戻ったのだろう?”
優斗がそれを聞こうとしたときに、何処から荒々しくバタバタという音がした。
「ああ、もうまた邪魔?それも身内とかな」
ギオがそれが誰だか分かっていたようで、顔を顰めていた。
「だから、闇の国の領地に入りたくは無かった。自分の所のほうが、陽の国にいるよりも面倒くさいとは一体どういうことなんだろう?と思うよな」
そうぶつぶつ呟きながらギオは優斗に布団を頭まで被せて誰がいるのか分からないようにした。
「ユウト静かにしてろ。お前の正体が知れると厄介だからな」
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