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ノイズ-1
"なあ、お前、どこかの姫君を攫ってきたって?そこにいるのか?"
ギオに対して妙に馴れ馴れしく偉そうな口調で話す知らない誰かの声がした。布団の中からだと優斗はくぐもった声でしか聞こえなかったが、何を話しているのかはなんとか分かった。
"これは、兄上、よくここへいらっしゃいましたね?"
ギオはその相手に"兄上"と言っている。しかも仰々しいほどに丁寧な口調で答えていた。
(ギオの兄?闇の皇子はギオ・・・だけじゃなかったのか?…っていうか"姫君"って俺??)
優斗はじっとしながら2人の会話に聞くため耳を澄ました。
"お前、この俺に対して結界だと?どういうことだ?ジマにそう言って通させた"
(相変わらず強引な)
ギオは深い溜息を付いた。
皇子にそう言われてはジマには止める術はなかっただろう。
"相変わらず勝手な。兄上?姫君は外の輩に知られては危険だから結界の中に入れていたというのに"
"まあ、ぜひ見てみたいと思ってな。なに?お前、もう手を出したのか?"
"いいえ、思わぬ邪魔が入りましたのでねえ。兄上"
"ギオ…お前、勝手なことをすると、どうなるのかわかっているのか?"
"分かっておりますとも、ですが、兄上こそ、勝手なことをしないで頂きたい。未だ分かってらっしゃらないようですので今一度言いますが、この国での次期の皇はこの私と前から決まっていること。そして次期皇となる私のプライベート空間でのことは何をしようか不問なのではないのですか?その私が許可していないのに勝手に入り込むとは。いかがなものなのでしょうか?兄上?"
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