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ノイズ-2

ギオの声はとても冷たかった。ギオの兄が何か言い返しているようだったが、早口でまくし立てているようで布団の中の優斗には何を言っているのか分からなかった。 それに……。 布団の中はどこかとても暖かくて……。眠りそうになって行った。こんな状況で眠くなるなんて…とか優斗は思ったが、でも、 (眠いんじゃない、何か頭の中がじんじんとしていて、何かのノイズ?が……聞こえてるんだけど。これって何?) そのノイズがどうにも気持ち悪くて目を瞑っているしかない。何か頭痛の前触れのようなでもそれともまた違う何か。身体の内側、優斗の頭の芯の奥から波打つように聞こえてきている。 "……xx……" (何か?何かの声?が聞こえた?) 暫くすると、そのノイズが少し変わって違う何かの声がした。 "………て?" 誰かの声のようだった。優斗はソレを聞くように意識を集中する。ノイズに気付いて意識を集中すればするほどその"声"が大きくなっていった。 そして…それが何を言っているか、優斗には今はっきりと解った。それは……。 "この声に気付いたのなら、意識を集中して、頭の中でゆっくりと、答えて?" 何度もそう繰り返している。だから、優斗は答えた。 "……解った" そうして瞑っていた目を開いた。 .

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