110 / 379

ノイズ-5

ランフィスにはそう言ったものの、果たしてソレが出来るのかどうか正直、五分五分であるとビィは思っていた。 (ユウトさまに、ギオから引き離された時に渡したモノ。あの時、無事に優斗を助けられるという保証がなかった、だから最初から渡すつもりではいた。おそらく傍目にはただの火の粉に見えるモノ。丁度争いになったから、紛れて渡すことができた……) メッセージを載せた塊は確実に優斗の中に入っていった。 優斗はあのメッセージの塊を溶いてくれれば大丈夫なはず。でもそれは、優斗の運とその力量に頼るしかない。ビィはそう思った。 … ……… ………… ……それはすぐに現れた。 『ユウトの色が視える』 ランフィスはそう感じた。 見えたのは、白く光る塊。ランフィスは何か燃えているのかと思った。高い高い空の上から。まるで、羽のようにふわふわと舞いながら落ちてきた。 最初は小さい塊に見えた。ランフィスは手のひらへ乗るようだと思った。だから、そっと手を出した。だけど、近づくにつれてそれは大きくなった。あと少しというところで、それは人の形をとった。 ランフィスは両腕を出してしっかりと抱きとめた。 「……ユウト……?」 ユウトが腕の中で静かに眠っていた。落ちてきたのは優斗であった。 まるでベッドの上かというように静かに寝ている。 「ユウト!!!」 思わず声が大きくなる。その声で目を覚ましたのか、優斗がゆっくりと目を見開いた。ぼんやりとしたその目線の先に、ランフィスを認めると、 「……ランフィス……本当にランフィスだ……よかった」 そう言ってまた目を閉じて眠ってしまった。 .

ともだちにシェアしよう!