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ビィ-3
「私は今の皇の先々代の皇とのパートナーの印 を持っていました。正しくは先々代の皇がまだ継ぐものであった頃に私はそのパートナーとしての印 が現れました」
「……ビィって200歳以上ってことなの?」
「印 があった頃の年齢は、今のランフィス様ぐらいの年齢でした。そして向こう側へ行き、何十年か向こうで過ごし、私が落ち人として戻ってきた時には現皇がまだ皇子の頃でした。私の正しい年齢は産まれた時代から数えればもう200歳は超えているのではないのでしょうか。ですが私の体感年数でいうと4-50代ぐらいの感覚なんですよ」
「……ギオから聞かされたのは、向こうとこっちは時の流れが違うって。だから戻って来た時の年齢がこちらの時間と違うって」
「そういうことです」
「それで、向こう側へ行ったから、印が消えたってことなの?」
「……たしかに消えておりましたが、私がそれを気が付いたのは向こう側へ行ってから暫く経ってからでした」
ビィはそう答えた。
「暫く経ってから?」
「向こう側へ行った時に、暫く記憶を失っておりました。それで気が付いた時には印 は消えておりました」
「記憶、失っていたの?」
優斗はあれ?と思った。その話はギオにもジマにも聞いてはいない事だと思った。
(きっと知られてはいない事なんだ。ギオの言う事が100%ではないってことなんだ)
「はい、向こう側へ行った時に仮死状態であった所為か気が付いた時には、記憶を一時失っておりました。暫く過ごすうちに少しずつ思い出して来ましたが、ですので、印 が消えたのは、向こう側の世界に行ったのが原因なのか、それとも私が、向こう側へ行ったときに仮死状態になっていたからなのか、それとも、暫く記憶を失っていた所為なのかどれによってなのか良く分からないのです」
「俺は仮死状態にされた…らしいんだ…そうして印を消そうとされた・・・だけど消えなかった」
ビィはそれを聞くと驚いた。
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