124 / 379
ビィ-7
ビィは"印について研究をしている。だけど、それは印がどうやって現れるかその様式を研究しているという事になっている。消す方法などは記録に残せない。
(……それは、私が向こうの世界に行ったときに、書いたもの)
それを、何処でジマは見たというのか。
(あれは、向こうの世界で簡単には解けない封印を押しておいたはず……)
その封印が解けたという事はかなりの能力者であることには間違いはない。
「たしかに、その書物を書いたのは私です。ただソレは向こう側に置いて来たもの。それをジマは読んだという事なのでしょうか」
「………それは?何処で見つけたとかは言ってなかった。ジマは向こう側からの落ち人って言ってたからそうなのかもしれないけど分からない」
優斗は曖昧な言い方をした。
だが、ビィは別の事を考えていた。
(……あれを読んだ。というのですか。たしかに、あれを書いたのは私で封印したのも私であることには違いないですが、だけど……)
書いた文章はあちら側の文字ではなく、たしかに一部は向こう側の文字で書いてはある。だけど、その殆どはこちら側の文字で書いたはずであったもの。ジマはそれを読んでさらに何が書いてあるというのを理解したということだ。ビィはジマの計り知れない能力に脅威を感じた。
(向こう側の世界の能力者で、こちら側への落ち人であるというのは確定……只者ではない。そのような者が闇の国のほうに付いているというのは、とても厄介なことです)
.
ともだちにシェアしよう!