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転寝のあと-2
優斗はにこにこしながら食べようとしたら、何故か母親はいきなり、
"学校へ遅れるから早く行きなさい"
とか言ってきた。
"えええ。お腹すいてるのに"
優斗は仕方がなく学校へ行こうとした。だけど、学校の支度をまったくしていない。しかも制服に着替えもしていないってことに気が付いた。
(あれ?制服って何処にやったっけ?鞄は?あれ?)
優斗は焦ってきた。
(どうしよう、もう学校に遅刻しちゃうじゃないか)
急いで制服に着替えようとするが何処にもない。探しても探しても無い。おかしい。そう思って優斗は部屋のドアを開けると……。
………
……
…
そこで優斗はぱっと目を思い切り見開いて目覚めた。
(あれ……?)
しばらくぼんやりとしていた。
ここは、ランフィスの部屋で…それで、優斗はカウチソファーの上で寝ていた事を思い出した。柔らかい毛布を掛けられていてそれが暖かく心地良かった。
(夢……。これが夢?どっちが夢……?)
そう思いながらぼんやりと優斗は天井を見つめていると、
「ユウト、起きたの?」
優斗の足元からランフィスの声が聞こえた。
「ランフィス?」
ランフィスは優斗が寝ていた足元の方に座って静かに本を読んでいた。
(……現実はこっちだった……。母さんのオムライス食べたかったな……)
こちらへ来てから優斗は向こう側の事を夢で見る事は無かった。このタイミングで見るって事はやっぱり色々まいっているのかな……とも思う。
(それにやっぱり元の向こう側の世界。恋しいしどうしても戻れないこの現実は……諦めとそれと……)
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