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転寝のあと-5

「…ランフィスと……レンとの事を知ってしまったんだ」 だから優斗は、ストレートに言うしかないと思った。 一瞬ランフィスは目を大きく見開く。そして何か言おうとして、口を開けた。でも、それを遮るかのように優斗が続けて話す。 「こちらの世界では当たり前なのかもしれない。それに、向こう側の俺のいた日本でも昔は身分の高い人とかではあった。でも、俺にはよくわからないよ・・・俺はどうしたらいい?」 ランフィスはもしかしたらレンとの事は当たり前の関係だと思っているのかもしれない。こちらの世界ではそれは当然なのだと、ランフィスにそう肯定されてしまったら…と優斗は杞憂していた。 「……少し前まで私はレンとのことを皇族の中ではよくある事だと思っていた。レンもきっとそうであったと思う。その関係はずっと変わらないと」 "やっぱり・・・そうなのか" 優斗は悲しくなって目を伏せてしまう。 (ランフィスの顔なんて見れない) だけど、続けてランフィスは言った。 「だけど変わってしまったのは……ユウトが来てからだ……」 「俺の所為……?」 「違う。それは私の所為だ」 (・・・何を言っているの?) ランフィスが何を言い出すのか? 「……それはユウトを本気で好きになってしまったから…」 「……あ…」 吃驚して優斗は大きく目を見開く。その言葉は優斗がとても聞きたかった言葉であったが・・・。 「印の所為で俺が気になっているんじゃないって言えるの?」 .

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