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相思-1※
ランフィスは優斗が闇の国から脱出してこちらへ戻ってまだ間がないのでそんな気分になれないのかもしれないと思った。だけど、気持ちは……。
(……止まらない)
それは、優斗も同じで、帰ってきたばかりなのに、こんなに"欲する"のはとても恥ずかしいと思っていた。互いにキスをして、互いに触れ合うそれだけなのにとても心地よい。2人の気持ちは同じだった。
「……んッ」
ランフィスが耳へ柔らかくキスをすると優斗が声を上げる。
「もっと声、聞かせて?」
促すような優しい声でランフィスは言う。
「…ッ…」
(声を出すってそんな自分ではわからない)
優斗はどうしていいか分からない。
ランフィスのキスはそのまま再び首筋と道をたどって行く。優斗の白いローブは、はだけてあらわになっていしまっていた。その肩にもキスを落とし、はだけている服を優しく脱がしていった。と、寒くも無いのに優斗は少し震えていた。
幾度かランフィスこうやって肌を重ねているのにどうしても恥ずかしいし優斗は未だ慣れないと思っていた。
ランフィスも静かに身にまとう服をそっと脱ぐと、優斗とは全く違う身体が見える。
(何度見ても、ランフィスの身体は自分と比べるとたくましいというか見惚れてしまう)
だから無意識に優斗は
"綺麗……"
思わず言ってしまった。
「……綺麗?」
ランフィスが少し驚いたように聞き返す。
「俺と比べ物にならないくらいにランフィスが綺麗ってこと…だよ?」
「それは違うよ?優斗のほうがとても綺麗だから」
そう言ってランフィスはぐっと優斗に近づく。その顔が優斗の目の前のほぼアップの状態になった。
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