142 / 379

咎-2

朝の低い気温の所為で肌は少しヒヤッとしていた。多分、優斗の掌も冷たい。すると、その所為かどうか、ランフィスが少し身じろいだ。 (あ、起きる?) 優斗は焦って手を引っ込めようとしたけれども、ランフィスがそれを止めてそのまま手にキスをする。 「……あ…起きてたの?」 「起きてないから大丈夫だよ?」 「……え?」 「まあ、本当は少し前から起きてしまっていたけど、でもねこうやって寝ていれば、寝ているのと同じだよ?」 「そういうこと……なの?」 「今日はゆっくりしていよう」 「……仕事……執務はいいの?」 「いいんだ。だってユウトがこっちにもどったのに2人でいることもできないのはおかしいよ。執務なんて今日ぐらいやらなくてもいいんだ」 ランフィスはギュっと優斗を抱きしめる。 (ベッドの上は柔らかいしそれにこうやってランフィスといると暖かいし気分がいいからまた眠くなってしまう) そんなことを優斗は思ってしまっていた。 「……ねえ、ユウト、今日は天馬に乗って出かけてみよう?」 「天馬?」 こちらの世界に来た時にランフィスに乗せられたあの空を飛ぶ馬だろうかと優斗が考えていると、 「最初乗ったあの馬だよ。一度ゆっくりユウトと天馬で出かけてみたいって思っていたんだ」 そう言って微笑んだランフィスはなんだかとても少年っぽく見えた。 (あれ?ランフィスって年齢っていくつだったっけ?) 優斗はランフィスはなんとなく歳が上であると思っていた。 (でも、実際聞いたわけじゃないからどうなんだろう?) そんなことをぼやっと考えていると、ランフィスがチュっと軽く優斗の唇へキスをした。 .

ともだちにシェアしよう!