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Break[小休止]-2

茶色の塊。 というよりもふわふわした、少しオレンジ色がかっているようにも見える何か……。 「あれって、何かの動物?」 優斗は吃驚して思わず声に出した。急いでランフィスの部屋の横にある庭へ通じる階段を下りてみることにした。 城の周りはすべて強い結界がはっている。そして、このランフィスの部屋の周りはさらに強力な結界があるはず。だから、外から動物が入ってくるっていうことはあり得ない。しかも、空の上まで結界がある。そう優斗は聞いていた。 (だれかが飼っているペット?侍女の人とか従僕の人とかが飼っているのかな?) そんなに大きくはない子犬とか猫とかそのぐらいの大きさの動物に見えた。 急いで、庭に出てその茶色い動物を探しだ。だけど、下に降りた時にはその茶色の動物は何処かにいなくなってしまっていた。 (ああ。逃げちゃったかな?猫?犬?なんかこっちにきてからああいう小さいペットみたいな動物は見た事なかったから、ちょっと触れるなら触りたかったんだけど) 優斗は猫とか犬とかが好きだった。 (うちはマンションで動物とか飼っちゃいけなかったから飼えなかったし。内緒で飼っている人もいたけど、親はそういう所、生真面目だったし、あと世話出来ないからとか言われて飼わせて貰えなかったんだよね・・) 優斗は多分、侍女の人とか従僕の人とかが飼っているペットだったんだろうと思って、今度聞いてみて出来たら一度触らせてもらおうかなとか思った。 (だけど皇子の部屋の庭に入り込むのは少しまずいよね?だから聞いても言ってくれないかも?今度は内緒で見つけてみよう) ………… …… ……

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