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第Ⅱ章/ 街へ-1
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次の日の朝は、前の日よりもはるかに良い日差しで、天馬で出かけるのにはとてもよい日よりだった。
午前中のまだ昼にはなっていない早い時間に出かける事となった。
天馬にいざ乗るとなると優斗は、馬が行き成り暴れたらどうしようとか色々考えてしまって怖くてなかなか乗ることが出来なかった。
躊躇していると、ランフィスは先に馬に乗って手を優斗に差し伸べる。
「大丈夫だよ。手につかまって?」
思い切ってランフィスの手にそっと掴むと……。ランフィスはぐいっと優斗を引き上げる。
(軽々片手で俺を引き上げるとか?俺ってあんまり軽くはない…はずなのに。毎度のことながらこちら側の人ってどんだけ力持ち?)
「ちゃんと鞍につかまってね」
そう言われて優斗は鞍の前の手すりっぽい所をぐっと掴んだ。
ランフィスの馬は白くて毛並がとても綺麗だった。優斗は馬の毛ってちょっと硬いんだなとか思いながらそっとその白い毛並みを撫でてみた。
ランフィスは優斗を抱えるようにして後ろに乗っている。
従者は二人だけだった。本来ならそのうち一人はきっとレンであったはずであっただろう。今は違う従者がいた。
空は明るく日差しが強い。
闇の国の者はまず来ることができない。日差しを避ける道具はあることとはいえ、この日差しのキツイ空には来ることはままならないだろう。そんな理由で従者は少数で大丈夫であろうという事となった。
ランフィスも本来なら優斗と二人だけで行きたい気持ちもあったので少人数での行動は嬉しいと思っていた。
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