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街へ-3
「すごく賑やかだね?」
「広場は陽の国の中でも一番の賑わいのあるところだよ。今度はあの広場に行こう。夜はもっと違った感じになるんだ。前は時々……」
そこで、ランフィスは言葉に詰まる。
"……レンと一緒に………来ていた……"
レンと。
急に黙ってしまったので不思議に思った優斗はランフィスを仰ぎ見る。
「どうしたの?」
「なんでもないよ?」
ランフィスはただ淡く微笑むのみだった。
レンと思い出はもう自分しか分からなくなるだろう。
レンの記憶が消されればレンの思い出はもう、自分しか知らない。
自分さえ忘れなければ。
なかったことにはならないんだ。
そうランフィスは思った。
広場の上を飛び去るとまっすぐ伸びる広い街道が見えてきた。ここは城からもだいぶ離れている場所であったが、その周りには建物もあってなかなか賑わっている。大体が低めの建物でそれがひしめき合って建っていた。だけどかなり高さのある建物も点在していた。
「ここらへんは、治安があまり良くないんだ。ここを納めている領主はいつも頭を悩ませている。人の出入りも激しい所なんだ」
でもね、とランフィスは話を続ける。
「ここは結構変わった建物とかもあって面白いんだよ」
ランフィスが指し示した建物はここでも一際目立って高い建物だった。ガラスで覆われた不思議なデザインの向こう側の優斗の世界で言うとデザイナーズビルのようだった。
「気の力が弱くなっていた時には闇の国の者も出入りしていてとても危険な場所になっていたんだけど、今は"気の力"も安定して日が暮れても安全になりつつあるんだよ」
雑多な感じでいろんなものが混ざっている印象の街だった。
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