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街へ-4

優斗が感じたのは車のような乗り物を見ていないという事だった。 (こちら側の世界には向こう側の世界のような車は無いのだろうか?なんだろう。文化とか科学の進歩はこちら側は向こう側とは違うのか?でもビルみたいのもあったし) 馬車のようなものには乗っていた。空を飛ぶ乗り物は今のところこの天馬以外見ていない。 どうやら飛ぶ乗り物はこの天馬だけで、飛行機とかそういうものはなく、しかも、天馬に乗れるのは皇族とその関係者だけのようだった。 ふと、遠くの空に黒い雲が浮かんでいるのが見えた。 「あれは、雨雲?」 思わず優斗が聞いた。 「おかしい。今日は雲ひとつない天気だったはず。ここのところの陽気は"気の力"も安定しているはず…あの方向は……」 "闇の国"の方向であった。 (まさかとは思うけれどもこの日が出ている昼の最中で、奴らがこちらへ仕掛けてくることがあるのだろうか?) ランフィスは雲をじっと見つめる。 「ランフィス様。雨になるかもしれませんので早めに帰られたほうがよろしいかと」 従者の1人が言うと、 「そうだね、この先にある渓谷の景色が素晴らしいのだけれどもそれは、また今度にしようか」 そう言ってランフィスは天馬を城へ行くように方向を変える。 その時、なにか後ろの方、ランフィスが渓谷があるといっていた方向から、何かの鳴き声?が聞こえた。 .

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