155 / 379

空から-1

……… …… … 「ランフィスっ!!!!」 優斗が叫ぶ。だけど風が酷くてランフィスを呼ぶ声が届かない。 そのまま下へ下へ…と落下して行く。 このまま落ちたら……。 多分このままいけばきっと地面に叩きつけられる。地面じゃなかったならば、何処か建物かそれとも……。 それはあっという間の時間で…終わる。 急降下のショックからか、優斗は意識が遠のく。 ……… …… … 薄暗い部屋の中、ガタガタと窓を揺らす風の音で寝ていた男が目を覚ました。 今日はいつにもまして天気は良いようだ、と男は思った。 外の様子が分かるのは部屋の天井近くにある横長の小さな窓。そこから射し込んで来る日射しがとても明るかったからだ。 その小さな窓が風に揺られて音を出していた。 だけど天気なんてものはここにはあまり関係はない。 「ねえ、風がなんか酷くなってない?」 男の今日の相方である女も起きていたようだ。 「天気変わるのかもな。あ、今、もう昼?」 「まだ、昼にはなってないんじゃない?そろそろ上がり?それとも延ばす?」 「そうだなぁ。昨夜は遅かったし、久しぶりに来れたし」 「イハクさん。来てくれて嬉しかった」 イハクと呼ばれた男はそのまま女を抱きしめる。 さてとまた昼の最中からもう一戦と行くかと思ったその時に。 鈍い音が上から聞こえた。 次の瞬間に2人の寝ているベッドの上。天井が行き成り崩れた。 「きゃああああっ!!」 女の悲鳴が煩く響く。 .

ともだちにシェアしよう!