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空から-2
その、崩れた瓦礫の隙間から何かがふわりと落ちてきた。
まるで、ソレの為に屋根が邪魔になるので吹き飛ばした、という感じであった。
ソレは白い何か。上から落ちてきたにも拘らず傷一つなく、まるで天使のように白い綺麗な……。
「人??人か?」
「ほんとに人?何なの?!」
女は怖がってベッドから一番遠い場所へ逃げる。
「兎に角。かあさんを呼んでくる」
女が部屋から逃げるように急いでここの女主人を呼びに出て行く。
ここでは、女主人に対して実際の親子でもなくかあさんと呼ぶ。飲み屋の主人等をオヤジと呼ぶのと似ている。
残されたイハクはそっとその白い人を見てみる。
「オンナ?」
白いローブのような服を着てそして髪が黒くて長い。肌も白くて……。
「綺麗だ……。本当に人?天使みたいだ。死んでるのか?生きてる?」
そおっと顔を近づけて息があるかどうか確認して見た。
「………」
すうすうとした息遣いが聞こえる。どうやら息はしているようだった。イハクはほっとしてその白い肌に思わず触れてみた。
(やべーこいつ。婆さんにいってこれ貰おう)
するとすぐさま、ここの主人がやって来た。
「どうしたんだい?これは!??屋根が崩れて空が見えるじゃないか!」
「ああ、サンガ婆さん。こいつなんかどっかから落ちて来たみたいだ」
そのサンガ婆さんと呼ばれた女主人はその白いオンナ?を舐めるように見る。そしてためらいもなくその服を剥ぎ取るように脱がす。
「ちょっと婆さん何するんだ?」
「ああ?怪我があるかどうかの確認じゃよ」
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