162 / 379

空から-8

ランフィスはきっと自分を探している。タワーって。何だろう。高い建物のことなんだろうか? あ、あれか、空で見た高い建物があったところそこだろうか? 優斗は色々と考えを巡らせた。 (とりあえず、外を見てみたい) ここがどういった所なのか把握しておきたい。 だけど、ここには窓が全くない。あるのは上の小さな明り取りみたいな窓しかなくて。 (あれは開くのだろうか?) 出入り口はサンガが出て行ったドアのみで、優斗はそのドアの取ってを掴んで開けてみた。もしかしたら鍵がかかっているかもと思ったが、カチャっと音を立てて普通にドアが開いた。 優斗が廊下をそっと覗くと部屋のドアがいくつか見えた。明かりが点いていて窓はないけれどもどこからかの日の光が射していて部屋の中より明るかった。優斗は誰にも咎められることもなく部屋から出ることが出来た。 床にはふわふわの絨毯が轢いてあるようでふわっとした感触だった。 優斗はとりあえず日が射す明るい方向へ歩いてみる事にした。廊下の突き当たりまで行くと、右手に階段が見えた。その階段の上の大きい窓から明かりが入っているようだった。 階段の下の方から何やら賑やかな声が聞こえている。優斗は上へ行くかそれとも階下に行くか考えたが、人がいないほうがいいかと思って上の階段を登ってみることにした。 上への階段を登ると、大きなドアがあった。少し開いていてドアが閉まらないように何か重りをつけているのかドアが開きっぱなしになっているのが分かった。そのドアから明るい日が入ってきていた。 (ベランダか何かに出られるのか?) 優斗はとりあえず登ってそのドアを開けるとぶわっと風が来た。 .

ともだちにシェアしよう!