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娼楼-1

優斗は、吃驚して振り向くと出入り口のドアの所に大柄の女性がいた。ここで働いている人なのかもしれないと思ったけれども、 「あ、あの……」 何て言っていいか分からなくて思わず口ごもる。その女は優斗を食い入るように見ていた。 「あんたか?上から落ちて来た色子っていうのは?」 「…色子……じゃないんだけど」 (また言われた。俺はよっぽど"そう"見えるのか?) 女は暫く考え込む。 「そうか?まあ、私にはどうでもいい事だ。というかここで何しているんだ?」 「ここが何処だかよく分からなかったから、上から様子を見てみたかったんだ。あなたはここで働いている人?」 「ああ、下働きでな。下女だ。私みたいなごつい大きな醜女(しこめ)じゃ遊女はできんからな」 (しこめ……って何だっけ……えと、醜女か。ぶさいくってこと?……ここって割と昔の言葉をつかうよな……。本を色々読んでいてよかったかも?) 優斗は本好きだったし、向こうの元の世界では色々読んでいた。今のあまり本を読んでいない状況が少しもどかしくもあったのだが……。 自分を卑下しておどけたような表情でその女は言った。たしかにその女はでかいっていう感じではあったが、だけど本人が言うように"醜女"ではないと優斗は思った。 「大きいけど言うほどごつくないような?それに醜女ではないと思う……」 そう、優斗が言うと、 「そうか?皆、ごつい大女とか醜女とか酷く言われるけどな」 女はなんか嬉しそうにして答えた。 .

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