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娼楼-2
「もっと、しゅっとしたら、背が高くてかっこいいモデルさんになれそうかも?」
「何だその?もでるって?」
「ああ……」
(そうだこっちの世界にはモデルっていうのはいないんだ?)
優斗はしまったと思いながら、何と答えようかと考えているとその女は近づいて来て優斗をじろじろと見まわしながら言った。
「あんたのほうが華奢だな。それで色子じゃないって言うのか?」
優斗は思わず言い返す。
「これは骨格の問題で……」
「まあいいよ、私には関係ない。でも、ありがとう。ここでは娼妓に馬鹿にされてばかりだったからな。でもこの娼楼はいい所だよ。他の所だと醜女には酷い事させるからな。私はここで拾われてよかったと思ってる」
酷いことって……一体何なんだろうとか優斗は考えていると。女が聞いてきた。
「あんた名前はなんていう?」
「えと、優斗。あなたの名前は?」
「ああ、そうだったな。人に聞く前に自分で名乗らないとな・・・私の名はヨウっていうんだ」
そのヨウという女は近くで見ると向こうの世界の、何とかっていう女芸人さんに似てるかもとか優斗は、思って誰だったかなとか考えていた。
(えと、芸人さんの名前が思い出せない……えと。たしか……)
「ちょっと、あんたさあ。じろじろ見るな。照れるし」
「え?あ、ごめん……」
優斗は無意識にヨウをじっと見つめてしまったみたいだった。
「大丈夫。惚れないし。あんたを気にいった上客がいるからねえ。そんなヤツには手出さないし。しかも私が好きなのはもっとこう、筋肉隆々なやつがいいわな。私よりでかいやつがいいよね」
「……あ、そうなの?」
(なんかよくわからないうちにどうやら、勝手に振られたみたい?)
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