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イハク-2
「しかもさあ、馴染みの娼妓といちゃこらしてた時によぉ……」
「……えと、すみません?」
ここは謝る所なのだろうか?と優斗は思ったが…。
(そうか、ここって娼館だったんだっけ。じゃ、この男って客だったのか?)
「まあ、そんな事はいいや、俺はイハクっていうんだ。まあここの常連だな。お前、ユウトっていうんだろ?……あぁ、ここに勤めてる奴から聞いた。お前、もう大丈夫なのか身体は?」
「……は…い…」
優斗はイハクをじっと見る。青い瞳と目立つ赤みがかった金色の髪。髪は柔らかいウエーブで肩の少し下あたりまで伸びていて……それがとても似合っていた。
(なんか……なんていうか。このイハクって言う人、かっこいいけど少しチャラい?)
だけど、優斗は、この世界の人は何故、皆こんなにも整った顔の人が多いのだろうかとも思っていた。
(ランフィスは綺麗っていうか近寄りづらい風なんだ。生活感がないっていうかまあ皇子だからそうなんだけど……。でも、このイハクっていう人は、チャラいっていうか、親しみやすい?庶民的?そう元の世界でいうイケメンって感じ。向こうの世界でもきっとモテる)
そんな事を優斗は考えていた。
「そうか、よかった。俺、お前を見た時から、すっげーお前のこと気になってさ。なあ、ユウト。お前、俺のとこ、来ない?」
「……はぁ?」
(何を言いだすんだ?このイハクっていうやつは?)
優斗はこの目の前のイケメンを呆れながら見つめた。
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