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イハク-10
今更ながら、気がつくなんて、自分はなんて浅はかだったんだろうと、
(俺は馬鹿だっ。分かってなかった)
優斗は激しく後悔した。何とかしてこの場を切り抜けようと考えを巡らせる。
「イハクさん・・」
「イハクでいいって言っただろ?」
「…では…イハク…は女の人が好きなんじゃないの?だって、娼楼の女の人を相手にしてたじゃないか?」
「俺は女のほうがいいんだけど、まあ、男相手も無いわけじゃない」
「そんな……」
必死でこのイハクの勢いを収めようと言ったのに、まるで意味がなかった。このままイハクにヤられてしまったほうが楽なのか?優斗は混乱してきた。
「……色子じゃないとしても、お前、こういうの初めてじゃないだろう?」
「何でそんな事を言うの……?」
「だってさ、お前の身体に付いていた口吸いの後すごかったし」
口吸いと言われて優斗は一瞬なんのことか分からなかった。
(あ、それってキスマークのこと?)
だけれども何故それを"知っている?"んだろうと優斗は思った。
「何で知ったようなこと言うの?まさか見たの?」
「あ、すまん。それは悪いとは思ったけど……。見てしまった。いきなりサンガ婆さんがお前の服をひっぺがえしたんだよ?そりゃあ、見るなって言うのが無理じゃん?つい見ちゃうよね」
「……なんでそんな事を」
「まあ、お前が色子だった場合にはいろいろとあるから身体の様子を見たかったんじゃないか?」
サンガはそういう人なんだとイハクは言った。娼楼の主人としては当たり前の行動をしたまでだと。たしかに行き成り医者に診せるとか色々あったし、それはそういう事なんだろうと優斗は納得はしたが、寝ている時になんて好き勝手なことをするんだと思った。
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