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イハク-12
その時、優斗に何か電気が走ったような感覚に陥る。
"──だめだ、だめだだめだ!!”
これ以上イハクの思いのまま進められたら。このまま最後までいってしまう。
それは……。
"──だめだ……”
やはり、信じてもらうかわからないけれども、自分の事を話さなければ……。
優斗はイハクの手を振り払って身体を押し返して、
「待って…!イハク!!」
そう声を上げた。その声が大きな声だったのでイハクは驚いて思い切り不機嫌な様子になった。
「何?ここで、止めるなよ?」
だけど優斗はめげずに次の言葉を言う。
「違うんだ、聞いて、イハク!」
「なんだ?聞くけど、まあ、事が終わってからでいいだろ?」
そう言ってまたイハクは優斗にキスをしてきた。
「だめなんだ。ごめん」
必死で言う優斗の姿を見て、イハクはそれ以上優斗へのキスを止め、溜息をついた。
「分かったよ。何だよ?」
そこで、優斗は思い切り息を吸い込んで、一呼吸おいてから話始めることにした。だけど一体どこから話したらいいのか?もうどうにでもなれっ―――・・・と、思いつくままに話す。
「俺は、俺の身元は……。この国の皇子のランフィスのパートナーである優斗なんだ。上から落ちてきたのは、ランフィスと天馬に乗っていて俺が誤って落ちてしまったんだ。………もっと早くに言うべきだった………」
イハクは一瞬、目を見開いて動きを止めた。
「…はぁぁぁぁ?!!!何を言い出すんだ?その話を信じろと?この俺は今度そのパートナー様の肖像を描くのに選ばれているんだよ?そんな事言い出してもすぐにばれるぞ?」
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