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イハク-13
「だから!だからだよ。だから本当のことを言った。だって、これでもし城に帰れたとして、城で改めてイハクが肖像画を描く事となったとき、イハクは俺を見てどうするんだ?俺もイハクの顔をどうみたらいいんだ?そんな不審な様子をうちの怖い優秀な魔導士のビィが見逃すはずが無い……そうなったらイハクがどうなるか分からない……」
優斗はそこまで一気に話した。
「……はあああああ!!?マジか?マジなのか?」
「マジです」
イハクは優斗に覆いかぶさっていたのをやめて思い切りがばっと起き上がる。
「なぜもっと早くに言わない?もっと早くに言えばあのサンガだってお前にひどいこともしなかっただろうに」
イハクは、はぁっと大きく溜息をついて頭を抱え込む。
「だって、サンガもそれにイハクも得体が知れなかったし。あそこの場所がどこか分からなかったし、それに君らが味方かもわからなかったから……」
「そんなに警戒してたのか?」
優斗は大きく頷く。
「この前、俺、闇の国の者に攫われたんだ。きっとこの話って世間には知られてないかもだけど。それってランフィスの従者が操られてその手引きをしたんだ」
「……闇の国・・・か」
「だから、皆、味方なのかそれとも違うのか分からないうちは自分の事を言えなかった」
「だからって。このタイミングで言うのは無しだろうよ?」
そう言われて優斗は本当に申し訳なさそうに言う。
「本当にごめんなさい。俺、考え無しにイハクの家に来てしまった。サンガのとこに居てはランフィスが探せないって思ったから。でも、家について行き成りこんな事するとは思わなかったし……」
イハクはふぅ・・と、また溜息をついた。
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