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呼応-3
だが、優斗は別格であった。
(普通のそこいらに居るような色子だったならば、もうその場でとっととイハクに適当に売りつけていたであろうが。ユウトはかなり綺麗な上玉な色子だったし、高くなりそうな子だったしな)
だから、サンガはすぐにはイハクに売るとは言わなかった。タワー関係のものだったらば尚更、勝手にはできない。
さらに、優斗はそれ以上なもしかしたならば皇族の関係者である可能性が出てきたのである。
「あの馬鹿男が!」
サンガが怒鳴ったその時に、店の表玄関の詰め所に居た下男が慌てた様子でサンガの元に来た。
「……あの、表の門に……特別警察の方がここの主人に会わせろとやってきているのですが」
それを聞いたサンガは、頭が真っ白になった。
「……来た。・・やっぱり、ユウトは皇族なのか?」
それを聞いたヨウ達は驚いて騒いだ。
「皇族ってユウトがそうなんですか??!!」
従業員達の動揺に構っている余裕もないサンガはひたすらどうしたらいいのか分からず、ただただ、うろうろとそこいらを歩き回った。
「……もう。どうしたらいいのか!・・ユウトはもうここにはいないんだよ……………そうだ!!」
サンガは何やら思いついたのか回りの連中に言い放った。
「こうなったらすべて、イハクの所為にしてしまおう。ユウトはイハクが連れ去ったからこちらは全く知らぬ存ぜぬでとおせ」
そうして、サンガは自分の両頬を両掌でパチンと挟むように叩いて気合を入れ、特別警察の連中の居る玄関へと急いだ。
(まあ、嘘は言ってない……。イハクが連れ去った事には違いないしな)
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