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呼応-5

「いや、その者の言う事は本当だ。ここにはユウトはいない……」 白い天馬に乗ったランフィスがそう言った。そしてさらに独り言のように重ねて言う。 「ここは、現皇のパートナーのレイアの所縁の所であると従者に聞いた。だからユウトはここへ"来た"のか?それとも"引っ張られた"のか?……ユウトの居た形跡は感じるけれども、今は……ここには気配がない……」 従者の一人がサンガに聞く。 「お前、ユウト様を連れ出した客が何処にいるか分かるか」 慌ててサンガが答えた。 「その客はイハクという者で、…この先の森のすぐそばに家があると聞いております」 それを聞いたランフィスが良く通った綺麗な声でサンガに言う。 「ありがとう。ユウトが世話になりました。後ほど改めて謝礼を致します」 「は…い」 サンガは気が付いていた。この男が現皇のパートナーに対して敬称をつけて言わなかったこと。 そしてその従者の一人と思われる者が優斗に対してユウト"様"と言っていた事を。 (これは……) さらに決定的な事をサンガは聞いた。 「ランフィス様、このような下賤な者に対して直接に話すことはされないで下さい」 一人の従者が咎めるように言った。 「そんな事は構わない……」 そう言ってランフィスは白い天馬で早々と空へ上る。 「ユウトの所に急いで行く」 それを追いかけて他の天馬も空へ次々上って行った。 "ランフィス……様……?" その名前にはサンガに聞き覚えがあった。 (・・・ランフィス・・・) まさかまさかまさか・・・皇子である"ランフィス様"なのか?? ではユウトは・・・・? サンガはへなへなとその場にへたり込んでしまった。 ………… …… … .

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