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呼応-6

… …… ………… "ランフィスを掴んだ……" 優斗がそう感じたその時、急に静かになって目を閉じた事を不審に思ったイハクは、優斗に思わず声を掛ける。 「どうした?」 だけど、優斗はそのまま無言のままだった。優斗の中でランフィスを視えて捉えた。だけどそこからどうしていいか分からなくて考え込んでしまっていたからだ。 (この前……ギオの所からランフィスの所へまるで引っ張られるように行けた…その時は、自分が礫のようになって行ったんだ……でも、あの時はビィから受け取った塊のおかげだったから……。だから、あの時とは違う。これからどうしていいか分からない……。だけど、今、ランフィスの何かを感じて捉えた……ランフィスもきっと気が付いたはずなんだ) "──待っていればいいんだよ?" 優斗の中の何かが答えた。 (……何?…) そこで優斗は目を開いた。 「……大丈夫か?」 イハクが心配そうに優斗の顔を覗き込んでいた。そこで、優斗は先程から時間が経っていいるのに気が付く。  「イハク……ごめん……大丈夫。今、ランフィスに自分の存在を知らせる事が出来たと思う……」 「何を言ってるんだ?」 イハクが凄く怪訝そうな顔をした。 「ああ、そうか」 (しるし)の呼応の事は一般には知られていない事……現皇のパートナーであるレイアが呼応に反応して皇宮へ出向いたっていう事も知られてはいないみたいだし。この話はあまり言ってはいけないことなんだろうかと、優斗は思った。  (でも、たしかサンガとかは知っていたし・・・どこまで言っていいんだろう?) 優斗はどう説明したらいいだろうかと迷った。 .

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