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呼応-8

「いきなり態度を変えられても正直どうしていいか。だから元の通りでいいよ。俺がいいって言うんだからいいんだよ?それにそんな膝をつけるとかそういうの……やめて、俺そういうの慣れないし」 「……よかったありがたい。だけど、ユウト様…」 「それも"様"は付けないで?ユウトでいいよ」 「……それもありがたい」 そこで、優斗はくすくす笑う。 「なんだか、イハクが前言っていた事そのまま逆になってるよね」 「え?」 何の事だろうとイハクが不思議そうにしていると 「だって俺が"イハクさん"って言ったら"さん"なしでいいって言ってたのと同じだなって」 「ああ、そうか」 そこで、イハクも笑う。 「……俺は、ユウトにとんでも無い事をしたから……」 「うん。でもいいんだ。イハクはいい人ってわかっていたし」 「……ユウトの、なんだか不思議な感じは"向こう側の世界の人"だからか……?」 「………そういうのは普通に知られているんだね……?そう俺は"向こう側の世界の人"だ。こちら側の世界と向こう側の世界、今はもう行き来がないって聞いた」 「たまに関係なくこちらに来る人がいる。だけどとても稀な人で俺は見たことはない」 その話は……。優斗は心の中で思う。 "それは、落ち人……だ" (ビィのように) ──その時、優斗はふいによく分からない"何か"の気配を感じた。 それは、 "ランフィス?" ランフィスの気配……というか、ランフィスの"気の模様"が視えた。

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