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呼応-13
「だったら、私はユウト様の肖像画を専属で描く画家の候補になっているのですが、それでしたなら是非私を選んでください」
そう言ってイハクは再び頭を下げる。
(ユウトがランフィスに頼むって言われたけど、自分で言ってしまった)
頭を下げたままで表情がランフィスには見えないのをいいことに、イハクは少しニヤニヤしてしまっていた。
するとランフィスはふふっと軽く笑った。
「あなたは面白い人ですね?」
「……よく言われます」
そう返事をしたイハクにランフィスはさらに微笑むと、
「わかりました。ユウトの肖像画を描く時にぜひ絵を見せてください」
そう言って優斗の所へ戻って行った。
イハクが拘束された時に痛めた腕をぐるぐる回しながら膝まづいていた体制からするすると立ち上がると、向こうから優斗が来た。
「イハク、ごめんね。痛かったよね?この上着借りておくね。今度俺の絵を描きに来た時に返すね?」
「いやいや、なんだか友達の服を気軽に返すみたいな感じに言わないで」
「うん。いや、きっとイハクと友達だよ?今度会うのを楽しみにしてるね」
優斗はにこにこしながら言う。
(……今度会う時はこんなに気軽には話せないな。いくらユウトがいいといっても……)
"それはとても寂しいことかも……"
イハクはそう心の中でそっと呟く。
そして、優斗はランフィスの天馬に一緒に乗って空へ飛んだ。
"よかった。イハクが何の咎めも無く収まって…本当によかった……"
空を飛びながら優斗は地上で遠くなっていくイハクを見ながら小さく囁いた。
………
……
…
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