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帰りからのその後-2
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帰ってきてから優斗はすぐベッドで眠ってしまった。天馬の上では一生懸命、眠らないようにしていたけれども、城に着いた途端立っていられなくなった。それで、ランフィスにそのまま寝室へ連れていかれてベッドで眠ってしまったようだった。優斗が気が付いたのは先ほどで、夜となっていた。
ランフィスは未だに執務が終わってはいないのか居なかった。
それは、おそらく自分の所為だ……と優斗は思った。自分が行方不明にならなければ、そんなに時間も取られることもなかったはずだろうし、そんなに遅くもならない時間に戻れたのではないだろうかと。
目が覚めたのはいいけれども優斗は空腹なのに気が付いた。
(……そういえば、食べ物を昼から取っていないかも…)
そろそろと寝室から出ると、寒くて思わず暖炉の傍に来たが火が落ちていた。急いで従者の人を呼んで火をつけて貰った。ついでに何か軽い食事を持って来てもらう事にした。
持って来て貰ったのはマフィンとミルクだった。
優斗は少し行儀が悪いかと思ったけれども暖炉の前で床に座って、マフィンを食べる事にした。少しミルクを飲むと温かく、マフィンははちみつっぽいのが入っていてとても美味しくてほっとして落ち着いた。
なんとなく手持ち無沙汰でこういう時は向こうの世界だと、スマホとか見たりしたなあとか優斗は思ったけれども、ここはそんなものなんてない。ただ暖炉の火を見つめるのみだった。ランフィスが戻ってくるまで待っていようかと優斗は思ったがそれは出来そうもない。
(またまた眠くなってきたのでそれは無理かもしれない……)
パチパチという暖炉の薪のはぜる音がして、うとうとしていた、優斗ははっとする。
「またベッドに戻ろうかなあ?」
そう言いながら暖炉の炎が踊っている様をぼんやりと眺めていた。
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