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茶色の-4
「怖くないよ、足、そっと洗うだけだからじっとして」
だけど、猫は爪をたててどんどん優斗の体の上に上ってきた。
「ちょっと、痛いって」
勢いでずるっと足が滑って優斗は床にしりもちをついて、そのまま、床に転げてしまった。いきおいで、猫を放り出してしまったけれども、猫はそんなこともひるまずに綺麗に床に着地していた。
「さすが猫ちゃんだね」
なんとなく得意になってる風な猫を見ながら優斗は
(飼い主が見つけられなかったらこのまま飼っちゃいたい。ランフィスにたのもうかなあ?)
とか思ったりした。
猫はニャーニャー何かまた訴えるみたいにして近づいてきた。優斗が風呂場の床に寝っ転がってしまったので、猫がどんどん優斗の上に登ってきてきて猫の顔が優斗の目の前にアップになった。綺麗な琥珀?金色?の瞳がよく見える。
すると、猫が犬みたいに優斗の顔をペロッと舐める。猫の舌はざらざらしているから少し痛かゆくて思わず、目をつぶってしまった。ふわふわの毛が鼻先についてくすぐったい。
(もうこのままついでに、猫と風呂にはいっちゃおうかな。服ぬれちゃったし)
とか目をつぶりながら優斗は思った。
身体の上に登られても猫は重たくない。ハズ……だけど、いきなりずしっと重たくなった。
優斗はびっくりして思わず閉じていた目を開いた。
すると、目の前にいるのは。かわいい猫だったはずが……。
茶色い髪の青年?がいた。
しかも、自分を押し倒している状態になっていて、服を着てない。
「うわわああああああっ!!!」
優斗は思わず大きな声を上げる。
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