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茶色の-8
「ユウト、どういうことか?」
ランフィスが優斗に問うように聞いてきた。それでようやっと優斗は我に返って、猫を拾った事、風呂場に入れて足先を洗おうとしたこと等々、色々説明をした。
「獣人……か」
優斗の話を聞いてもランフィスは全く驚かずにそう呟いた。
「獣人?」
思わず優斗が聞き返す。
「猫が人になるとかってあるの??」
「ごく少数な種族だけれども山の中や森に住んでいる。あまり街中にはでてこない」
優斗がこちらの世界に来てからそういった人がいたのを見たことは無かったのは、少ない種族でしかも街中にも出てこない。だから優斗が出会う事もなかったからなのだろう。
(俺は外へいかないし。この前、街にでたのが初めてだったし、もう何が起こっても驚かないや……)
優斗はそう思った。
「彼らの種族は陽の国、闇の国、そのほかの国々とはあまり関わらない特殊な領域で生活している。各国々の間には深い森や山があるが主にそこに住んでいて、森が彼らの領域であり、我々もそこに入れば彼らのルールに従う。少数種族だけれども、各人がある程度の魔力を持っているのでそんなに不便な生活ではない……と聞いている」
ランフィスが優斗に簡単に獣人の説明をした。そして続けて、
「だが、獣人にしろ何にしろこの皇城の敷地内へ入ってこれたというのは……どういうことだ?結界が効いてないのか?」
そう言って不可解そうな顔をして考え込んだ。
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