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茶色の-9
「猫だった時に誰かのペットとしていたのでは?」
優斗が聞くと。
「獣人をそういう風に扱うのは、普通の人には出来るはずがない」
そう、ランフィスは否定をした。
「どうやってこの中にきたの?」
優斗がその獣人の男にまた話し掛ける。
「お前がここに連れてきたんでしょ」
そういえばさっきもそんな事を言っていた。猫だったこの男を連れて来たのはそうだけど、優斗はそういう事じゃないのにと思う。
なんだかこの獣人の男は優斗に話し掛けられると嬉しそうな顔をする。よく見ると男の瞳はとても綺麗な琥珀色をしていてその瞳がきらきらしていた。
(琥珀色。猫の時と全く同じだ)
その同一感が男がさっきの猫だったとさらに思わざるを得ないと優斗は思う。
「そうじゃなくて、この皇宮にはどうして来ているの?って聞きたいんだよ?」
「……父さんがここにいるから」
「え?お父さん?ここで仕えている人?」
「そうだよ?」
「それって誰なの?」
すると、その男は少し考えながら、
「…ビィっていう人。母さんは山にいたけど亡くなったから」
そう言った。
「ビィって??あのビィ??……ってかビィって子供がいた?獣人ってビィも獣人??どういうことランフィス?」
優斗は色々混乱して驚いて思わずランフィスを見た。ランフィスも吃驚した顔をしている。
「私も初めて聞いた」
思わず二人で顔を見合わせた。
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*お知らせ*
今更ですが、この「茶色の」章からおおきなくくりでいうとあたらしい展開部分に入ります。
そして更新頻度が週1更新だったのが少し遅くなります。すみません。
お知らせはブログへ随時上げさせていただきます。
よろしくお願いいたします。
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