223 / 379
ヤナギ-1
「誰かビィを呼んで来てくれ」
ランフィスが衛兵に言うか言わないかのうちに誰かがやって来た。優斗がその人物を見ると、
「ビィ?」
ビィがそこにいた。
「まだ呼んではいないのに?」
ランフィスが訝し気にしていると、
「実は、その者を探していたのです。それでランフィス様のお部屋での騒ぎに気が付きましてもしやと思って来てみたのですが……」
ビィはそう答えた。
「この者はビィの子供なのか?お前を父と呼んでいたが?」
「血縁はないのですが、この者の後見人……保護者という立場です」
「一体何故この獣人の面倒を見ていることになったのだ?私は知らなかったが」
「はい、それは、ごく最近の事でございます。ランフィス様への報告が遅れてしまって申し訳ございません」
ビィは頭を下げる。
「最近は、俺が色々あったし……ランフィスも忙しかったし……」
優斗がなんとなく申し訳なさげに小さく呟く。
「いえ、私事についての報告でしたので、もう少し落ち着いてからと思っておりました。ですが、このような事になってしまって申し訳ございません。よろしかったら、この者の事について私に説明をさせてください」
そこでランフィスは、その獣人の青年は問題がないというのが分かったので衛兵に拘束を解かせ、皆さがらせた。
.
ともだちにシェアしよう!