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ヤナギ-2
「やっと放してくれた」
獣人の青年が嬉しそうに、拘束されていた腕をぐるぐる回しながら言った。
そして、優斗もその獣人の青年も身体を拭いたりきちんと服を着たりして落ち着いてから、リビングの方に移って話を聞くことにした。
優斗とランフィスとそれから、その向かい側にビィと獣人の青年が並んでソファーに座った。最初、獣人の青年は当たり前のように優斗の隣に座ろうとしたけれども、ビィに窘められていた。
「この者のためにお時間を取らせてしまって申し訳ありません」
青年は不満そうな顔をして、
「きちんと紹介して欲しいんだけど?」
そう言った。
「……その前に、その言葉遣いをどうにかしなさい」
「どこか変?」
「お前が気安く話している方々は皇子のランフィス様とそしてそのパートナーのユウト様です」
「えーーー?」
その青年はそう言うとぴたっと静かになった。そして、しゅんとしたようになり
「わかった。だけど俺、きちんとした丁寧な言葉はよくわかんない。それに、疲れたから人型やめるわ。眠いし」
気が付くとナギの身体が縮こまり、姿が消えその着ていたはずの服が散らばっていた。その服の間から、さっきの茶色の猫が……。
「ホントに猫ちゃんだったんだ・・・」
優斗が言うとその猫・・ヤナギは、じっと優斗の顔をみた。
"ミャア・・"と鳴いてそのまま優斗の膝の上に乗る。
一回大きな欠伸をしたと思ったらすぐ丸くなって……そのまま眠ってしまった。
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