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ヤナギ-7
「ミャウミャウウ・・ニャ・・」
ヤナギが必死で訴えるように鳴いている。
"ビィ!ユウトが俺と結婚できないっていうんだ!なんで?"
ヤナギはビィに心話で訴えていた。ヤナギは接触しないと心話が出来ないけれどもビィは接触なしでも声を拾う事が出来る。だから必死で訴えた。
だけど、ビィは心話で答えるのではなく、深い溜息をついてから、きちんと声に出して言った。
「……ここに来た時にランフィス様がこの陽の国の皇子で継ぐ者であり、そのパートナーがユウト様だと。それでここがその皇宮だと説明しましたよね?そして先程きちんとこの方々がランフィス皇子様とパートナーのユウト様と紹介したハズです」
ヤナギの目をきちんと見ながら言うビィの表情はとても険しかった。
"だって、パートナーって意味わかんなかったし。番 のことだったの?"
ヤナギはミャウミャウと、とても煩く鳴く。
「ビィ、俺は大丈夫だから、だからあんまり叱らないで」
優斗はヤナギとビィが何をやりとりしているのか全く分からなかったが、ビィに頼み込んだ。
「いえ、これは、けじめです。ここでの決まり事に慣れていかなければヤナギはこの先、生活できませんから」
だけど……。と言いたいところを優斗はぐっと堪える。ふと、ランフィスを見ると先程と同じようになんだか微妙な表情をしていた。
(ランフィスもビィと同じように思っているのかな?俺はヤナギに甘すぎなのかな?)
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