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ヤナギ-9

「実際ヤナギは他の獣人の子と見た目はあまり変わらないのにもかかわらず強い力をもっているのを感じました。妖の父親の魔力……妖力が強かったと言うのでその血を引いているからでしょう。大人の獣人をも凌駕しつつあって。子供ながらに傲慢になっているヤナギをどうにかしなければいけないと思いました」 そこで、ビィは、ヤナギ自身がもう少し大人になり力の抑制をできるようになるまで彼の力を封印した。 「そして、もしこれから、何かあったのなら私の所へ来るようにと、母親のラナカに言いました。私もそれから様子を見に彼女とヤナギの家へ行くこともありました。だけど、最近は、ヤナギも小さい子供でもないし、すこしづつ、自分の事もわかるようになってきているので、あまり行き来もしなくなっていたのですが……」 そこで、一旦ビィは話すをを止めて、少し何か遠くを見るような目をしてから再び話す。 「ヤナギの母親のラナカが亡くなった折に、ヤナギを私の所へ来るようにしたのです」 ビィはヤナギが、自分の所へ来た経緯はそういったことだったと言った。 「このヤナギが、ビィの所へ来た経緯は分かった。だがヤナギは成人はしてないようだが、もう幼い子供ではない。獣人は獣人のコミュニティーがあるハズだが、たしか、我々よりもより濃い繋がりがあると聞く」 ランフィスは、ヤナギはビィの所へ来なくても暮らしていけないことはないし、そんな、獣人の子をここに連れて来る事は無いと思った。 「そうです。ですが逆に、その所為で、ヤナギが他と違っている子供であったことと、ヤナギの父親が獣人とは違ったものであったこと。それにともなってのヤナギの力の強さ等で、孤立してしまっています。ラナカが傍にいた頃ならよかったのかもしれませんが……」 .

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