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ヤナギ-11
「あの、ランフィス?もしかして、ランフィスもヤナギを撫でたいの?」
(このもふもふを独り占めしてしまったのを怒ったのか?)
ランフィスはなんだかきょとんとした顔をして、
「違うよ……」
そう言って今度は何だかくすくすと笑った。優斗の頭をぽんぽんっと掌で叩くような撫でるようなそんな風にした。
「撫でたいのはユウトだけだけどね?……ユウトのほうが……かわいいよ?」
「……え?」
何を言っているの?と優斗が思っていると、ランフィスは、いきなり立ち上がって
「……ビィ。このヤナギがこちらに居る事となった経緯は分かった。ヤナギがビィと関係している者で怪しい者ではないと分かれば良い。私は執務の途中だったのでこれで行くよ」
そう言って部屋から出て行ってしまった。
「ランフィスは、さっきからちょっとおかしいよね……」
何だろう?先程からのランフィスの様子を優斗はとても変に思った。
「私がお手間取らせてしまった所為です」
ビィが申し訳なさそうに言う。
「それと、ヤナギがとても失礼な行動をした所為だと思われます」
(一番の原因はおそらく……ユウト様が思いのほかヤナギを気に入っている……その所為かもしれません。ヤナギもとてもユウト様に懐いている。ヤナギはあまり人には懐かないのに不思議です。それがランフィス様によく思われないという事になってしまったのは……困りました)
そう思いながらビィは深いため息を付いた。
………
……
…
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