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ヤナギ-12
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………
夕闇も迫ってきた時間になって、優斗はぼんやりと、今日あった事を考えていた。
(今日は本当に面白かった……)
優斗はランフィスが行ってしまった後の、ビィとのやりとりを思い出していた。
"私事でこんな時間をとらせてしまいました"
ビィは思いのほか話し込んでしまったので、時間を取らしてしまったことをとても申し訳なく思っていたようだった。
"多分途中でヤナギが色々騒いだりしたからだと思う。でも大丈夫だよ。猫のヤナギはかわいいから平気”
"ヤナギを気に入って頂いてありがとうございます。ヤナギもとても懐いていますね。ただ、ヤナギは今は猫の性質が色濃くでていますが、それは、母親が山猫の獣人だったのでその性質が色濃く出ているのです。ですが、ヤナギの父親はそうではなかったので、…魔力の封印が無くなったら父親の方の性質も出てくる可能性もあるので、猫のままではないかもしれません"
"え、そうなの?ヤナギは猫のままがいいな。ヤナギのお父さんってどんな妖 だったか知っているの?"
"ヤナギの母親のラナカは妖 の属性とかあまりよくわかってない様子でしたが、話を聞くと恐らく、妖というよりもどちらかというと神獣に近い者だと思われます"
"神獣って何?龍とか?"
"そういった者かと思います。実際会ったわけではないので、はっきりとはわかりません。彼は自らの事をあまり言わなかったとラナカは言っておりました"
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