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キスを-1

…… ………… 光の渦。湧き上がるそれを……。 ……優斗はぼんやりと見ていた。 その光の塊を一気にランフィスは自分の内に留める。 (今日はこのまま留めて祈りの櫓へはすぐに行くのはやめよう) それは暗い夜の内に気の力を放出するとその光が溢れ暗い夜が明るく輝いてしまうからだ。優斗が嫌がるというのもある。 (継ぐ者とそのパートナーが気の力を生み出すという事は当たり前の事で、皆に知られてしまうというのは……良い事なのだが…。ユウトは向こう側の世界の者だからやはり、慣れないものなのだろう) ランフィスはそう思った。だけど、今日は優斗の様子がいつもより違っていて気がかりで傍を離れたくはなかった。 気の塊を放出してからのち優斗はしばらくぼんやりとしていて、まるで心が抜けたようになっていた。 ランフィスは、優斗をそっと包むように抱きしめて優しく身体を撫でていると、しばらくしてからやっと気が付く。 「ユウト、大丈夫?」 「……え?あ。うん。なんかぼんやりしてた。ごめん。ランフィスは祈りの櫓へいったの?」 優斗がそんなことを言う。 「行ってはいない。さっきからずっとユウトといるよ」 「……そうなの?」 "……気が付かなかった……" 優斗が小さく呟く。 「すまない…。ユウトは気の塊をあまりに多く放出しすぎたんだ」 ここ最近の優斗の気の放出は多い。気の力が以前よりも増して大きくて強大になっていた。 (まるで、自分の中の力をすべて出してしまっているみたいに……) ビィが、ランフィスと優斗の引き合いは強くて、だからなのか、今までの皇とそのパートナーから生まれる気の力よりも強いと少し前に言っていた。 だけど、その強い気の力はそれまで、黄昏ていた陽の国をすぐさま、麗らかに変えた。 相性の問題。それは、神から与えられたパートナーの印を持つもの同士、相性は悪くないのは当たり前ではあるが、それが他のどの者たちよりもランフィスと優斗は繋がりが強い。 (恐らく……ユウトと交われば交わるほどその繋がりと絆が強くなっていくようだ) ランフィスはそう感じていた。 ……… …

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