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キスを-2
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優斗の生み出す気の塊をすべて取り入れてそれを、外へ放出するのは容易い。でもそれは、陽の国の気候を大きく変えてしまう。寒々としていた国の気候が麗らかな春のようになったのはいいのだが、それを超えて熱帯のようになってしまい兼ねない。
ランフィスと優斗が生み出す気の力はとても強大であった。優斗は自らの源である"気"即ち命の元である"気"をもすべて使ってしまいそうな勢いがある。
そんな優斗を心配してランフィスはビィに"気の力の放出"を抑える事が出来ないかと、相談したことがあった。ビィは、
「それは出来ない事は無いですが、ただ、それをすると、今後なんらかの影響が出ないとも限りませんので」
そう言って気の力を抑制する事をためらっていた。
だけどこのまま力を出しすぎてもそれはそれで良くない。気の力は陽の国の源でもあるようにそれは命の源に他ならない。
ビィは急激な抑制ではなく少し軽い抑え気味にできるような事にはできないだろうか?と思案していた。
そこで、ふと2人が最近はあまり互いにブレスレットを付けてはいないという事に気が付いた。
印による引き合いを抑えるためのブレスレット。
これは、気の力を抑えるものではなく印による二人の引き合いを抑えるもの。だけど、互いが引き合うという事はそれは気の力の影響であるとも言える。
「互いの気の交わりがスムーズにいっているから、もうつける必要も無いと思われているようですが、
必ずブレスレットを装着してください」
そうランフィスに言った。
(ブレッスレット。少しでも抑制できれば。これでだめならばもっと他の方法を考えなければ)
ビィのそんな考えを知る由もなく、ランフィスも優斗も印の引き合いを制御してしまうブレスレットは互いを感じるのに隔たりがあるように思えて、昨夜の房事では互いのブレスレットはすっかりはずしてしまっていたのだった。
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