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キスを-3
…………
…
「気の塊を多く出しすぎ…たの?」
キョトンとして優斗が言う。
優斗は自分が最近より多く気の塊を多く生み出していることに気が付かない。
「そうだよ。だけどそれはいいことなんだけど、でも、優斗の身体を想うととても心配なんだ」
気の排出は体力も奪うしそれに、気と魂 は同じものであり、命の源にかかわる。
「ランフィスは大丈夫なの?ランフィスは気の力を取り込んでそれを外へ出すのでしょう?」
「……それは大丈夫」
ランフィス自身はよく分かってはいなかったが、今まで気の取り込みで辛いとは思ったことがなく、気がより強大になっていてもそれは変わってはいない。現皇のバスティンの様子を見ればなんらかの負担はあるのだろうと思うが、ランフィスには今の所はなんの負担もない。
「……だったらよかった」
そう言う優斗は少し元気がない。
「ユウト?」
優斗はまたぼんやりとしていた。ランフィスはそんな優斗を優しく包み込むように再び抱きしめると、優斗の身体が冷たい事に気が付いた。
「何か温かい飲み物を持ってこさせよう」
「……いい。このままでいて?だってランフィスは……」
"あたたかいから”
そう言って優斗は目を瞑って抱きしめているランフィスの腕の中へさらに埋まり込みその胸に身体を預けた。
(……身体が冷たいのは、やはり、気を多く放出しすぎてしまった所為?)
気の出しすぎと言われたけれども優斗にはそんな自覚は無い。ただ、最近は意識がなくなるときがある。だけど辛いとかそういう事ではなくてただ、ここでの生活が慣れてなくて疲れるのだとそう思っていた。
(自分の出す"気"がそんな強いものだったの?)
気がなくなるっていうことは…。
気は命の源であるということだから……。
優斗はぼんやりとした頭で似たなにかの話を思い出していた。
(……そういえば昔、何かの映画で人の"魂"を食らって生きながらえる怪物の話を観た。昔の映画、ホラーがかったファンタジーの。あれはSF?宇宙人の話だったっけ?)
それは人の魂を吸い取る吸血鬼のような宇宙人の話だった。最後はどうなってしまったのか…忘れてしまった。古い映画でたしか父親か母親がもっていたDVDで観た。優斗も小さかったし記憶もあやふやだった。ただ人の魂を食らう姿がとても怖かった印象で……。
(人の気"魂"を食らうのには、どうやるのだっけ……ああ。そうだ……)
"キスをするんだ"
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