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茶色の2-3
「出れたよかった。だけど、ヤナギ、どうやってここに来たの?ビィは知ってるの?」
優斗はヤナギを抱き上げながら聞いた。
「ニャアウゥ・・」
情けない声で鳴きながらヤナギが昨日みたいに心話で話す。
"ビィのところから逃げた……きっとビィは知らないと思う"
「逃げたってどうして?」
"ビィは俺に無理やり勉強させるし"
「勉強?どういうこと?」
”……俺があまりにもこっちの言葉とか文字とかしらなすぎるから勉強させられてる……あとこっちの常識?とか……それがすごくもう。うざいぐらいにめんどい。話せなくても心話があるじゃん?俺、今はこうやって相手に触れていないとだめだけど、ビィみたいにそんなのおかまいなしにしたい。その方法教えてよ・・って感じ”
ヤナギは一気に心話で話し始めた。
「じゃあ、昨日、庭で遊んでいたのは・・・もしかしたら、勉強から逃げて来たの?」
"そういうこと"
「ああ、そうだったのか。昨日なんで庭にいたのか聞きそびれてしまったから。そういう事か」
"本とか読んだり書いたりずっとすると・・飽きるじゃん?で、ここの庭見つけてさ、で、来てみたの。今日もユウトとまた遊びたい”
「ミャウゥ・・」
と可愛い鳴き声を上げて優斗に頭をすりつける。
「昨日も、それに今日も?ビィはなんで気が付かないんだろう?」
"だってビィはずっといるわけじゃないし。なんか、これ読みなさいとか書きなさいって言って暫くいなくなるのさ。だから、その間に来たんだよ。今日は早く来たかったんだ。早く優斗に会いたかったし。ここに来る道順は分かったし。部屋の中は侍女の足元の脇からさーーーーっと入っていったんだ"
ヤナギは得意げに話した。
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