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茶色の2-4
「気が付かれなかったの?まあ、しょうがないか、まさか猫が入ってくるなんて思わないからね」
"猫の姿もいいけどホントは人の姿でユウトに会いたかった。でも、ビィが……"
とそこまで言ってヤナギが話を止めた。
"ユウトはホントにランフィス…様のパートナーだったんだ”
「そうだよ?どうしたの?昨日ちゃんとビィから説明されてたよね?」
"そうなんだけど・・・今朝、寝室から、ランフィス…様が出ていくのを見た。それに……"
心話も止めてヤナギは黙りこむ。
(それに……ランフィスが寝ているユウトにキスしてた……。とっても優しそうに・・ランフィスは昨日不機嫌な顔しかみてない。あんな優しそうな顔するんだって思ったし……)
と色々とあれこれと考えていた。
(だから、ホントなんだなあって……。吃驚しすぎてしばらくぼーっとしてたら見つかりそうになったから、急いでソファーの下に隠れたんだけど。それで出れなくなったんだし。俺だってユウト好きなのにさ。一目ぼれってやつ。でもさ、好きになった人がいきなり偉い人の番 だったとか、もう。俺不幸すぎ。偉い人。皇子様だし、もうランフィスには"様"つけないといけないし。そいで、あ、ユウトにも"様"つけないといけないの……?)
ずっと長考していた。まったく話さなくなったヤナギを心配して優斗は声を掛けた。
「ヤナギ?」
ヤナギは少し掠れたような鳴き声を出してもう一度、優斗に頭をすりすりする。
「ミャァ・・」
「どうしたの?いきなり元気がなくなって。さっきまで勢いよく心話をしていたのに。どこか具合悪い?もしかしてソファーの下に入り込んでいたからどこか痛めた?」
ヤナギはぶんぶんと首を振る。
「……それとも、ビィに見つかったら怒られるのを心配した?」
"……あ、それもあるけど……"
ヤナギがやっと返事をした。すると暫く優斗はいきなり思いついたように言った。
「そうだ、ヤナギ?勉強、一緒にしようよ?俺もこっちの文字とかあまり分からないし。一緒に勉強したらきっと飽きないよ?」
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